給与・年末調整

マネーフォワード クラウド年末調整のやり方【2026年分】:一人担当の準備から電子申告まで

結論

マネーフォワード クラウド年末調整は公式の5段階(事前準備→手続きの作成→回収と確認→計算と配布→提出)で進み、一人担当が先に決めるのは「給与データの更新・提出の締切日・精算する月」の3つです。

結論の中身

5段階は、①事前準備 → ②手続きの作成 → ③申告書の回収と確認 → ④還付追徴額の計算と源泉徴収票の配布 → ⑤書類の提出 です(公式の管理者用の流れと同じ区切りです)。

先に決めておく3つ:

  • クラウド給与のデータを最新にしてから連携する(年末調整側は、給与側のデータを取り込んで使うため)
  • 従業員の提出の締切日(回収設定で決める。締切から計算・精算までの日数を逆算する)
  • 12月・1月・2月のどの給与で過不足を精算するか(クラウド給与に取り込めるのはこの3か月分)

私は年末調整をマネーフォワード クラウドで行っていました。

この記事が役に立つ人

  • 従業員10人前後の会社で、年末調整を一人で担当している人
  • マネーフォワード クラウド給与を使っていて、年末調整もクラウドで回したい人
  • 給与ソフトは他社のままで、申告書の配布・回収だけでも紙をやめたい人

公式の手順は画面ごとにページが分かれています。この記事は、それを担当者が作業する順番に並べ直し、各段で公式ヘルプへのリンクを付けたものです。画面の名前・ボタンの名前は、2026-09-25 時点の公式ヘルプに合わせています。

2026年分で先に知っておくこと

制度の側:令和8年度の税制改正で、基礎控除の引上げ・給与所得控除の最低保障額の引上げ・扶養親族などの所得要件の改正が行われました。年末調整に関わるのは、令和8年12月以後の源泉徴収事務からです(11月までの事務は変わりません)。金額は国税庁のページで確かめてください。→ 令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について(国税庁)→ 年末調整がよくわかるページ(令和8年分)(国税庁)

また、23歳未満の扶養親族がいる人は、生命保険料控除の計算方法・上限が変わります(令和8年分から)。控除証明書を回収する前に、国税庁の年末調整のページで確かめてください。

同じお知らせにある、2026年分の変更で担当者に関係するもの:

対応済み

  • 23歳未満の扶養親族がいる場合の生命保険料控除 — 計算方法・上限の変更に対応済み
  • 「特定管理者」ロール — 割り当てた手続きだけを操作できる権限。一人担当なら使わなくてよい

今後対応予定(2026-09-26 時点)

  • AI自動入力(β) — 生命保険料の控除証明書の画像から自動で入力する。対象は生命保険料だけ、2026年度は無償
  • 保険料控除証明書の入力代行オプション — 利用できる期間は 2026-10-01〜2026-12-31 だけ(9/2 の追記)

流れの全体(公式の5段階)

段階担当者がやること画面公式ヘルプ
① 事前準備申告事業所の登録、従業員の登録、権限の設定「事業者」>「申告事業所」「従業員」「権限」管理者用の流れ
② 手続きの作成新規追加→回収設定→通知設定→連携設定「手続き一覧」年末調整手続き作成の流れ
③ 回収と確認従業員を「依頼中」にして提出を依頼。提出後に中身を確認・修正・差戻し「未依頼」「未確認」「未確認」ステータスの操作
④ 計算と配布還付追徴額を確かめて「確定済」にし、源泉徴収票を配布「確認済」「確定済」「確認済」ステータスの操作
⑤ 書類の提出紙で出力、電子申告、またはe-Tax・eLTAX用のファイル出力「申告一覧」「提出準備」ほか電子申告の方法

① 事前準備:クラウド給与を先に最新にする

クラウド年末調整は、クラウド給与の会社情報・従業員情報・給与の情報を取り込んで年末調整を行います。取り込む前に、給与側で次がそろっているか確かめます。

  • 会社の情報(名称・所在地など)が今の内容になっているか
  • その年に入社・退職した人の情報、住所・扶養家族の変更
  • 年内に支給した給与・賞与の計算が確定しているか
  • 従業員番号が、給与側と年末調整側でそろっているか(あとで過不足税額を給与に戻すとき、従業員番号で突き合わせるため)

年の途中で給与ソフトを切り替えた会社は、前のソフトで払った分の累計の扱いを先に決めてください。→ 給与計算ソフトを年の途中で切り替えるときの、年末調整への影響

② 手続きの作成:新規追加→回収設定→通知設定→連携設定

公式ヘルプはこの4つを順に進める作りです。各段で何を決めておくかを並べます。→ 年末調整手続き作成の流れ

手順画面で設定すること先に決めておくこと
1. 手続きの新規追加「手続き一覧」の「+追加」。手続き名、事業所、保険金等の受取人氏名を必須にするか、入力代行を使うか、設定の複製前年の手続きを複製するか、新しく作るか
2. 回収設定従業員の申告書の提出締切日、従業員に申告してもらう住所、電子的控除証明書の利用、使用言語の切替、証明書の画像の添付締切日(計算と精算の日から逆算)。画像の添付を必須にするか。外国人の従業員がいれば言語の切替
3. 通知設定管理者への通知、従業員への通知(メール内容の編集)、リマインド、源泉徴収票の自動配布日案内メールの文面(下の見本)。源泉徴収票を自動で配るか、確かめてから手で配るか
4. 連携設定クラウド給与から連携する従業員の選択と追加、給与情報を連携するか年末調整の対象にする人・しない人

源泉徴収票を自動で配ると手間は減りますが、計算を見直したいときに先に配られてしまいます。一人担当なら、自動配布日は入れずに、確かめてから手で配るほうが事故は少ないと考えます(推定)。

③ 回収と確認:ステータスで進み具合を見る

従業員はステータスで管理されます。公式のステータスは5つです。

ステータス意味担当者の操作
未依頼まだ依頼していない「回収・計算ステータス」→「『依頼中』にする」。対象外の人は「対象」「対象外」「来年分のみ回収」から選ぶ
依頼中従業員が入力している締切の前にリマインド
未確認従業員が提出した「申告書内容」タブで確認。直せる所は「修正」、本人に直してもらう所は「差戻し」(差戻し箇所・コメント・締切日を付ける)。問題なければ「確認済」にする
確認済担当者が確認した「還付追徴額」を確かめ、「確定済」にする
確定済計算が確定した源泉徴収票を「配布」する。給与への取り込みができる

→ 「未依頼」ステータスの操作/「未確認」ステータスの操作

知っておくと慌てない所が2つあります。

  • 従業員は、提出した後は自分で直せません。 直したいときは管理者に連絡する作りです(従業員用の流れに明記)。案内メールに、この一文を入れておきます
  • 「確認済」では申告内容を編集できません。 直すときは「未確認」に戻します。「確定済」から戻すときは「確定を解除」で「確認済」に戻り、中身を直すならさらに「未確認」へ戻します

「来年分のみ回収」は、今年の年末調整はしないが、翌年分の扶養控除等申告書は出してもらう人に使う選択肢です。

④ 計算と配布:確定する前に突き合わせる

「確認済」の画面で、還付追徴額(還付はマイナス、追徴はプラスで表示)と、取り込んだ給与の状況を確かめます。「確定済」にする前に、次の4つを突き合わせます。

見る所合っているか
人数年末調整の対象の人数 = 在籍者 − 対象外にした人
給与の合計年末調整側に取り込んだ年間の支給額 = クラウド給与の年間の支給額
期間12月の給与・賞与(精算する月の分)まで入っているか
前職の分年の途中で入社した人の前職の源泉徴収票の内容が入っているか

確定したら源泉徴収票を配ります。「確定済」の画面で「未配布」の人にチェックを入れ、「配布」→「源泉徴収票『配布済』にする」。従業員は自分の画面で源泉徴収票を見られるようになります。→ 「確定済」ステータスの操作

過不足税額を給与に戻す:クラウド給与の「連携設定」で年末調整と連携し、「年調過不足税額」を控除項目に入れてから、給与計算の画面でインポートします。取り込めるのはその年の12月、翌年1月・2月の支給分だけで、対象は「確定済」の人です。→ 年調過不足税額をクラウド給与に取り込む方法

翌年分の申告内容を給与に戻す:扶養の人数など、翌年の源泉徴収に使う情報も給与側へ取り込めます(「確認済」か「確定済」の人が対象)。これを忘れると、1月の給与の税額が古い扶養の人数のまま計算されます。→ 翌年申告内容を取り込む方法1月の給与の前に確かめることは、2027年1月の給与計算の前に確かめること にまとめています。

⑤ 書類の提出:1月31日まで

年末調整のあとに出すものと期限です(国税庁のタックスアンサーより)。

  • 源泉徴収票を従業員に交付 — 翌年1月31日まで(年の途中で退職した人は、退職の日以後1か月以内)
  • 源泉徴収票(提出範囲に当たる人の分)と法定調書合計表を税務署へ — 翌年1月31日まで
  • 令和9年1月1日以後に出す分から、税務署に出す源泉徴収票の提出範囲が広がります。 範囲の基準はタックスアンサー No.7411 で確かめてください
  • 同じく令和9年1月1日以後に出す分から、市区町村に給与支払報告書を出せば、税務署に源泉徴収票を出したものとみなされ、税務署への提出は要りません(源泉徴収票のみなし提出の特例)。従業員に交付する源泉徴収票は、これまでどおり全員に作って渡します

→ No.7411 「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等(国税庁)→ 源泉徴収票のみなし提出の特例 特設ページ(国税庁)

MF側では、紙での出力、電子申告(e-Tax・eLTAX)、e-Tax・eLTAX用のファイルの出力から選べます。電子申告には、e-Tax・eLTAXで利用登録した電子証明書、eLTAXの利用者ID、e-Taxの利用者識別番号などが要ります(公式ヘルプ)。初めてなら年内に用意しておきます。なお、個人事業主は電子申告の機能を使えないと書かれています。→ 電子申告の方法/電子証明書の取得方法と注意事項

年末調整で精算した税の納付は、原則は支払った月の翌月10日まで。納期の特例(給与の支給人員が常時10人未満)の承認を受けていれば、7〜12月分は翌年1月20日までです。期限が土日・祝日なら、休日明けの日になります。→ No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例(国税庁)

一人担当の段取り表(10月〜1月)

上の5段階を月に割り振った目安です。締切日などは会社の給与の締め日・支給日に合わせて動かしてください。

時期やることMFの段階
10月2026年分の対応のお知らせを確認。クラウド給与の従業員・会社の情報を最新に。電子証明書の有無を確認① 事前準備
10月下旬〜11月上旬手続きを作る(新規追加→回収設定→通知設定→連携設定)。締切日を決める② 手続きの作成
11月従業員を「依頼中」にして案内を送る。控除証明書が届いた人から入力してもらう③ 回収
11月下旬〜12月上旬提出された分を確認。差戻し。締切の前にリマインド③ 確認
12月12月の給与・賞与を確定し、年末調整側に取り込む。突き合わせて「確定済」に④ 計算
12月〜1月過不足税額を給与に取り込んで精算。源泉徴収票を配布。翌年分の申告内容を給与に取り込む④ 精算・配布
1月源泉徴収票・法定調書合計表・給与支払報告書を提出(1月31日まで)。精算した税を納付⑤ 提出

従業員へ配る案内の見本(コピーして使えます)

通知設定の「メール内容を編集」か、社内のチャットに貼る文です。〔 〕の中を書き換えてください。

件名:年末調整の申告をWebでお願いします(締切〔11月◯日〕)

今年の年末調整は、マネーフォワード クラウド年末調整で行います。
届いたメールのURLからログインし、画面の順番どおりに入力して提出してください。

■ 先に手元に用意するもの
・生命保険料・地震保険料の控除証明書(10月ごろに届くはがき等)
・国民年金保険料・iDeCo などの控除証明書(払っている人)
・住宅ローン控除の書類(2年目以降の人)
・一緒に住む家族・仕送りしている家族の、今年の収入の見込み

■ 注意
・提出したあとは、ご自身では直せません。直したいときは〔担当者名〕まで連絡してください。
・家族を扶養に入れるか迷ったら、空けたままにせず〔担当者名〕に相談してください。

締切:〔11月◯日〕

従業員の画面は「本人」「配偶者」「扶養親族」「保険料控除」「住宅ローン控除」の5ステップです。→ マネーフォワード クラウド年末調整の流れ(従業員用)

国税庁にも従業員向けのページがあります。→ 給与所得者(従業員)の方へ(令和8年分)(国税庁)

年末調整だけクラウドにする(他社の給与ソフトのままでも使える)

マネーフォワードは公式に、他社の給与計算ソフトを使っていても、年末調整だけを単体で使えると説明しています。給与ソフトを変えずに、申告書の配布・回収と計算をWebにする使い方です。→ マネーフォワード クラウド年末調整(公式)

その場合のデータの出し入れは次のとおりです。

向きやり方公式ヘルプ
従業員情報を入れる「【従業員情報】エクスポート」で出したCSVの形に合わせて編集し、インポートする。他のシステムから出したCSVは、先に形式をそろえる「従業員」画面の使い方
給与・賞与を入れるエクスポートしたCSVを編集して、月ごとにインポートする「給与・賞与」画面の使い方
過不足税額を出す「還付追徴額」画面からCSVで書き出し、給与ソフト側で精算する「還付追徴額」画面の使い方
他のソフトで計算する「確定済」の人の源泉徴収票CSV、または「年調・法定調書の達人」用のファイルを出す「他ソフトで年末調整計算」画面の使い方

SmartHRから従業員情報や申告情報を取り込む公式の手順もあります(インポート・連携のガイド一覧)。この節は、公式サイトと公式ヘルプの説明をもとにまとめています。

料金:公式FAQでは、Web契約のスモールビジネスプラン・ビジネスプランの場合、5名以内は「マネーフォワード クラウド」の基本料金だけで使え、6名以上は登録した従業員1名につき月額100円(税抜)かかります。10名で使う場合の追加は月500円(税抜)というのが公式の計算例です。ひとり法人プランは、登録できる従業員が1名までという別の条件です(2026-09-26 確認)。→ 利用料金について(公式FAQ)/料金プラン(公式)

1か月の無料トライアルがあり、公式の料金ページには、クレジットカードの登録なしで試せ、終了後に自動で有料プランに移ることはないと書かれています。申告書の回収は11月に始まるので、試すなら10月中です。

つまずきやすい所

つまずいたのは、外国人の従業員と扶養の処理でした。この2つは、それぞれ判定の記事にまとめています。

よくある質問

クラウド給与を使っていなくても使えますか?使えます。公式は、他社の給与ソフトのまま年末調整だけを使えると説明しています。従業員と給与のデータはCSVで取り込みます(上の表)。

従業員が提出した後に間違いに気づいたら?従業員は自分では直せません。担当者が「未確認」の画面で「修正」するか、「差戻し」で本人に直してもらいます。

「確定済」にした後に直したくなったら?「確定を解除」で「確認済」に戻し、中身を直すなら「未確認」に戻します。源泉徴収票を配った後に直した場合は、直した源泉徴収票を渡し直します。

2026年分の改正に、ソフトはもう対応していますか?2026-09-01 に対応が告知されましたが、給与所得控除の最低保障額の引上げと令和8年度の帳票の様式は、同じお知らせで「今後対応予定」です(2026-09-26 確認)。計算を確定する前に最新のお知らせを見てください。

まとめ

  • 流れは 事前準備 → 手続きの作成(新規追加→回収設定→通知設定→連携設定)→ 回収と確認 → 計算と配布 → 提出
  • 先に決めるのは 給与データの更新・提出の締切日・精算する月 の3つ
  • 扶養と外国人の従業員は、判定の記事(扶養の処理で迷う所・外国人の従業員の年末調整)を先に読んでおく

制度の最終的な判断は、税務署や顧問の税理士が行います。この記事は、ソフトで回すための段取りの整理です。