マネーフォワード クラウド会計の補助科目:設定方法と分け方の実例(ツールごと・借入ごと)
結論
補助科目は「各種設定」>「勘定科目」の「+補助科目追加」で作り、残高を相手ごとに追いたいものだけに絞って、作る前に名前の付け方を決めておきます。
- 補助科目は 「各種設定」>「勘定科目」 で、勘定科目ごとに 「+補助科目追加」 から作ります。補助科目名・税区分・検索キーを決めておくと、仕訳を入れるときに呼び出せます
- 何で分けるか迷ったら、残高を相手ごとに追いたいもの(借入金・売掛金・預金など)は補助科目、損益を取引先ごとに見たいだけなら取引先、事業ごとの損益は部門、「要確認」などの目印はタグ にします(下の表)
- 口座やカードを連携すると、その名前の補助科目が自動で作られ、手で作った補助科目と重複しがちです。また 補助科目は非表示にできず、仕訳で使った補助科目は消せません。作る前に名前の付け方を決めておくのが、いちばん手戻りが少ない方法です
私はマネーフォワード クラウド会計で、補助科目を細かく使っていました。分けていたのは 使っているツールごと と 借入ごと です。設定の手順、取引先・部門・タグとの使い分け、削除の条件は、この記事では公式ヘルプをもとにまとめています。
この記事が役に立つ人
- マネーフォワード クラウド会計を使っていて、補助科目をどこに・どこまで作るか迷っている人
- 補助科目と取引先・部門・タグの違いが分からず、どれで分ければよいか決められない人
- 口座を連携したら、同じ口座の補助科目が2つできてしまった人
- 使わなくなった補助科目を消そうとして、消せなかった人
補助科目とは
補助科目は、勘定科目の下に置く内訳です。たとえば「普通預金」の下に口座ごと、「長期借入金」の下に借入ごとの補助科目を作ると、勘定科目の合計だけでなく、内訳ごとの残高や動き が見られます。
作らなくても仕訳は入れられます。作るのは、あとで「これは何の支払いか」「この借入の残りはいくらか」を、すぐ答えたい所だけで足ります。
補助科目を追加する手順
画面の名前は、公式ヘルプ 「勘定科目」画面の使い方(2025-07-17更新)に合わせています。
- 「各種設定」>「勘定科目」 を開く
- 補助科目を付けたい勘定科目の行で 「+補助科目追加」 を押す(補助科目を追加する画面が出ます)
- 次の3つを入れて登録する
| 項目 | 何に使うか(公式ヘルプの説明) | 決めておくこと |
|---|---|---|
| 補助科目名 | 仕訳を登録するときに選ぶ名前。あとから直接編集もできる | 名前の付け方(下の「名前の付け方」) |
| 税区分 | その補助科目を選ぶと、この税区分が初期値として出る | いつも同じ税区分になるものだけ設定する |
| 検索キー | 仕訳を入れるとき、この文字で補助科目を呼び出せる | 短い英字など、覚えやすいもの |
公式FAQ:「勘定科目」や「補助科目」の追加はできますか?
まとめて作るならCSVで
補助科目が多いときは、画面で1つずつ作るより、CSVでまとめて登録するほうが早くて表記もそろいます。
- 「勘定科目」画面の 「エクスポート」 で、今の一覧を書き出す(「Excel用(Shift-JIS)」か「その他(UTF-8)」を選ぶ)
- 書き出したファイルに補助科目の行を足す
- 「インポート」>「ファイルを選択」>「インポート」。「勘定科目の設定を更新しました。」と出れば完了
一度の操作で登録・更新できる科目は 5,000件まで です。超えるとエラーになるので、ファイルを分けます(公式FAQ)。CSVで何を設定できるかは 勘定科目のCSVインポートではどのような設定ができますか? にあります。
先に書き出した一覧は、そのまま 今の補助科目の控え にもなります。あとで乗り換えや見直しをするときにも使えるので、作り終えたら一度書き出して保存しておきます。
補助科目・取引先・部門・タグの使い分け
いちばん迷うのがここです。4つとも「仕訳を分ける」ための機能ですが、見える場所と、分けられるもの が違います。
| 補助科目 | 取引先 | 部門 | タグ | |
|---|---|---|---|---|
| 何を分けるか | 勘定科目の中の内訳 | 仕訳の相手 | 事業・店舗などの単位 | 仕訳に付ける目印 |
| 見える所 | 残高試算表・推移表で「補助科目を表示」、補助元帳 | 取引先別推移表 | 残高試算表・仕訳帳・元帳・部門別集計表 | 仕訳帳での検索 |
| 貸借対照表の残高 | 追える | 取引先別推移表は 損益計算書の科目だけ | 部門ごとの決算書は 作れない | — |
| 数などの決まり | 一度に登録・更新できるのは5,000件まで | 仕訳で使った取引先は消せない | 無償利用・ひとり法人・スモールビジネスは 2部門まで・子部門なし | — |
| 向いているもの | 預金の口座、借入、売掛金・買掛金の相手、支払いの内訳 | 損益を相手ごとに比べたいとき、インボイスの登録番号の管理 | 事業・店舗ごとの損益 | 「要確認」「担当者」などの一時的な目印 |
出典:「残高試算表」画面の使い方/「推移表」画面の使い方/「現預金出納帳」「総勘定元帳」「補助元帳」画面の使い方/「取引先別推移表」画面の使い方/「取引先」画面の使い方/「部門」の設定方法/「タグ」の設定方法
迷ったときの決め方
- 相手ごとの「残り」を知りたいか?(借入の残高、預金の残高、未回収の売掛金)→ はいなら 補助科目。取引先別推移表は貸借対照表の科目に対応していないので、残高を追うなら補助科目です
- 費用や売上を「相手ごと」に比べたいだけか? → はいなら 取引先。補助科目を相手の数だけ作らずに済みます
- 事業や店舗ごとの利益を出したいか? → はいなら 部門。ただし部門ごとの決算書は作れず、プランによっては2部門までです
- あとで探したい・確認したいだけか? → タグ。集計ではなく、仕訳帳で絞り込むための目印です
部門・補助科目・タグを組み合わせて管理会計の表を作る方法は、会計ソフトの部門・タグで管理会計 にまとめています。
分け方の実例:ツールごと・借入ごと
私が補助科目で分けていたのは、次の2つです。
| 分けたもの | 補助科目の単位 | この分け方で見られるもの(機能の説明) |
|---|---|---|
| 使っているツールの支払い | ツールの名前ごと | どのツールに毎月いくら払っているか、補助元帳や推移表ですぐ出せる |
| 借入金 | 借入ごと | 借入ごとの残高と返済の動きを、補助科目の残高で追える |
ここから下は、この2つの分け方をするときの一般的な考え方です。
ツールごとに分けるときの考え方
- どの勘定科目の下に作るかは、会社ごとに決め方が違います。 ツールの利用料をどの科目で処理するかは、顧問の税理士と決めておきます。科目が決まれば、その下にツールの名前で補助科目を並べるだけです
- 毎月出ていく支払いだけを分けます。 一度きりの支払いまで補助科目にすると、選ぶときの候補が長くなるだけです
- 税区分をいつも同じにできるなら、補助科目に税区分を設定します。 選んだときに初期値として入るので、入力の手間と誤りが減ります。海外のサービスなど、ツールによって税区分が変わるものは、ここで分けておくと間違えにくくなります(どの税区分になるかは、税理士に確かめます)
借入ごとに分けるときの考え方
- 「長期借入金」「短期借入金」など、借入を入れている勘定科目の下に、借入1本ごとに1つ 作ります
- 名前は、金融機関の名前+借入を見分けられる印(借りた時期や用途など)にしておくと、同じ金融機関から2本以上借りても区別できます
- 月次で、補助科目の残高と金融機関の返済予定表の残高が合っているかを見ます。合わなければ、元金と利息の分け方を見直します
口座・カードの補助科目は、連携すると自動で作られる
マネーフォワード クラウド会計では、銀行口座やクレジットカードを データ連携すると、連携先の口座やカードの名前で補助科目が自動で作られます。明細のインポートや手での追加でも補助科目ができるので、同じ口座の補助科目が2つ になることがあります(補助科目が重複しています。1つにまとめるにはどうすればいいですか?)。
重複したときの直し方は、公式FAQ(2022-09-02更新)では状況ごとに次のとおりです。
| 状況 | 直し方 |
|---|---|
| 仕訳が入っているのは片方の補助科目だけ | 「データ連携」>「登録済一覧」 の「科目設定」で、使いたいほうの補助科目に変える |
| 両方の補助科目に、もう仕訳が入っている | ①「一括編集」 で、片方の補助科目の仕訳をもう片方にそろえる(借方・貸方それぞれで行う)→ ②「データ連携」>「登録済一覧」 の「科目設定」を、残すほうの補助科目に変える(②をしないと、連携で入る新しい仕訳がまた消したいほうに入ります) |
| そろえたあと、いらない補助科目が残った | 「各種設定」>「勘定科目」でゴミ箱のアイコンから消す(仕訳・自動仕訳ルール・仕訳辞書で使っていないものだけ。消せないときは下の「使わなくなった補助科目の扱い」) |
一括編集は、修正前の条件に完全に一致する仕訳の行だけ が直ります。1つの勘定科目に補助科目がいくつもある場合は、補助科目ごとに分けて実行します(「一括編集」機能の使い方、2026-07-09更新)。
クラウド請求書をつないでいるとき
マネーフォワード クラウド請求書と連携すると、取引先ごとに補助科目が自動で作られます。取引先ごとの補助科目がいらない場合は、クラウド請求書の 「帳票設定」>「会計連動」 で、「取引先名に応じた補助科目」の「作成する」のチェックを外します。この設定は事業者ごとで、取引先ごとには選べません(公式FAQ)。
使わなくなった補助科目の扱い
やめたツールや、返し終わった借入の補助科目は、放っておくと選ぶときの候補に残り続けます。
消そうとして消せないときは、公式FAQが挙げる次の場所で使われていないかを確かめます。
| 確かめる場所 | すること |
|---|---|
| 仕訳帳 | その補助科目で検索し、仕訳の科目を変えるか消す |
| 自動仕訳ルール(通帳・カード他/ビジネスカテゴリ/証憑)。証憑のルールは「AI-OCRから入力・デジタルインボイスから入力」の「自動仕訳ルール」画面にあります | その補助科目を使っているルールを直すか消す |
| 仕訳辞書 | その補助科目を使っている行を直すか消す |
| 登録済一覧 | 「科目設定」で別の科目に変える |
| 収入先・支出先 | その補助科目を設定している先を変える |
過去の仕訳で使った補助科目は、その仕訳を書き換えない限り消せません。 過去の年度の仕訳まで書き換えることになるので、消すためだけに仕訳を直すのはおすすめしません。そのかわり、自動仕訳ルール・仕訳辞書・登録済一覧の「科目設定」・収入先・支出先からは外しておく(上の表の、仕訳帳以外の場所すべて)と、新しい仕訳にその補助科目が自動で入ることはなくなります。
候補の中で見分けやすくしたいときは、補助科目名を直接編集できるので、名前の頭に「(終了)」などの印を付ける方法もあります(これは公式の手順ではなく、この記事の提案です)。ただし公式ヘルプは、勘定科目の設定を変えると 過年度の仕訳や決算書にも影響する と注意しています。名前を変える前に、決算書や帳簿にどう出るかを顧問の税理士に確かめてください。
つまずきやすい所
- 仕訳のCSVを取り込むと、名前の違う補助科目で止まる。 仕訳帳のインポートでは、CSVの補助科目名が「勘定科目」画面に登録されている名前と 完全に一致 しないと、「補助科目の設定」画面が出ます。ここで「追加」を選ぶと新しい補助科目ができ、表記ゆれの補助科目が増えていきます。既存の補助科目に寄せるなら「変換」を選びます(「仕訳帳」をインポートする、2026-07-09更新)→ 仕訳のインポートが止まるとき
- 「科目設定」を変えても、登録済みの仕訳は変わらない。 登録済一覧の「科目設定」を変えても、すでに入っている仕訳の勘定科目・補助科目には反映されません(「登録済一覧」画面の使い方)。過去の分は一括編集で直します
- 「科目設定」を変えると、自動仕訳ルールの側も変わる。 連携先の科目設定を変えると、その連携先の自動仕訳ルールの「自分側」の勘定科目・補助科目も、変更後のものに自動で変わります。新しい補助科目は、先に「勘定科目」画面で作っておく必要があります(データ連携を利用する際のデフォルト勘定科目を変更したいです)→ 自動仕訳ルールの作り方
- 税区分を一括で直しても、登録済みの仕訳の税区分は変わらない。 「勘定科目」画面で税区分の一括編集をしても、すでに登録している仕訳の税区分はそのままです(「勘定科目」画面の使い方)
名前の付け方を先に決める
取り込みで止まるのも、口座の補助科目が重複するのも、もとは 名前がそろっていないこと です。作り始める前に、次の3つだけ決めておきます。
- 正式名称で書くか、略称で書くか(例:サービスの正式な名前か、社内の呼び名か)
- 全角・半角、スペースの有無(英字のツール名は半角にする、など)
- 連携で自動で作られる口座・カードの補助科目は、その名前に合わせる(手で同じ口座の補助科目を作らない)
税理士と決めておくこと
補助科目は会社で自由に作れますが、決算書や申告の資料を作るのは顧問の税理士であることが多いはずです。どの勘定科目の下に作るか と 税区分の初期値 は、作る前に税理士に確かめておくと、あとで作り直さずに済みます。私も、困ったときの相談先の一つは顧問の税理士でした。相談先の選び方は 一人バックオフィスの相談先 にまとめています。
別の会計ソフトに移すときの注意
補助科目を細かく作っているほど、移すときの対応表が大きくなります。移す前に「勘定科目」画面の「エクスポート」で一覧を書き出し、移行先で同じ名前をそろえます。freee会計では、取引先・品目などのタグで内訳を持ちます(freeeのよくあるご質問)。比較は freee会計とマネーフォワード クラウド会計の比較 に、乗り換えるかどうかの判断は 会計ソフトを乗り換えるかの判断 にあります。
まとめ
- 補助科目は 「各種設定」>「勘定科目」>「+補助科目追加」。多いときはCSVでまとめて作る
- 残高を相手ごとに追うものは補助科目、損益を相手ごとに見るだけなら取引先、事業ごとは部門、目印はタグ
- 私は ツールごと・借入ごと に分けていた
- 口座・カードは 連携で自動で作られる。重複したら「科目設定」か「一括編集」でそろえる
- 補助科目は 非表示にできず、使ったものは消せない。だから 名前の付け方を先に決める
マネーフォワード クラウドで会計から給与・経費までを一人で回す全体の組み立ては、一人経理でマネーフォワード クラウドにそろえる にまとめています。